肩甲骨のヒミツ

肩にある肩甲骨ってどんな骨でどんな仕事をしているんだろう?
かなり個性的な肩甲骨をご紹介!

肩甲骨の進化

肩甲骨は、魚の胸びれから進化した骨といわれています。

画像の説明

爬虫類や両生類の肩甲骨は、背骨と連結されていて骨で体を支えています。

その後進化した四足の哺乳類は、肩甲骨と背骨との連結がなくなり、人間のような鎖骨もありませんので、前足は筋肉だけで肩甲骨を介して胴体とつながり、体重を支えるようになりました。

馬が巨体の衝撃を受けながら走ることができたり、猫が高い所から怪我をせずに着地したり、チーターが高速で走ったり、象が何トンもの体を支えたりできるのは、肩甲骨のもつチカラと柔軟性があるからです。

本来、肩甲骨にはこのようなパワーがあるのです。

人間は二足歩行になり、肩甲骨は体を支える働きは必要なくなりましたが。

その代わりに鎖骨を持ち、さらに腕を大きく複雑に動かして使えるようになりました。

肩甲骨のしくみ

次に、人間の肩甲骨についてみてみましょう。

人間の肩甲骨は、体重を支える必要がなくなりましたが、それでも重いものを持ったり、押したり、下半身の力を最大に発揮するためには、やはり肩甲骨の持つ力が必要です。

肩甲骨の関節には二つあります。

1肩甲骨の二つの関節

一つは、誰でもご存知の肩関節(正式名:肩甲上腕関節 ケンコウ・ジョウワン・カンセツ)です。

ここではA 関節としておきます。

整形外科では、肩が痛かったらおおむねこの関節が治療対象になります。

この関節には4つのインナーマッスル(深層筋)が板状の腱(腱板 ケンバン)となり上腕骨と連絡しています。

この腱板は、非常に薄いものなので、負荷がかかりすぎると傷つくことがあり、少しの傷だけで夜も眠れぬほどの激痛に見舞われることがあります。

また、A関節は関節としては非常に不安定な構造で、脱臼を繰り返すことでよく知られています。

肩甲骨が注目されるのは、主にこのA関節のほうです。

二つ目が、肩甲骨の裏側と肋骨の間の関節(肩甲胸郭関節 ケンコウ・キョウカク・カンセツ)です。

B関節としておきます。

こちらは構造的に故障がないため、ほとんど無視されてきた関節です。

でも、本当はこちらが主役級の役割を持っているのです。

影の主役、B関節

四足哺乳類や人間の肩甲骨は、筋肉だけで体とつながっているとご紹介しましたが、それがどういった意味を持つのかみてみましょう。

一般に関節というのは骨と骨が連なるために、軟骨、関節包、滑液、靭帯といった構造を持ちます。(A関節もこれに該当します)

ところがB関節には筋肉しかないのです。

一般的な関節(A)肩甲胸郭関節(B)
構造隣の骨・軟骨・靭帯・関節包・滑液・筋肉筋肉のみ
位置覚靭帯や関節包に豊富ほとんどなし

厚い筋肉にサンドされた肩甲骨が、筋肉に包まれた肋骨の上を滑っているだけなのです。

そしてこれは全身の関節の中で、ここだけがもつ特殊な構造です。

しかも、関節包や靭帯が存在しないために関節の位置を知らせる神経がほとんどありません。

目を閉じて手首を曲げてみてください。

どのくらいの角度で曲がっているかわかりますよね?

この機能が肩甲骨にはないのです。

だから肩甲骨の動きは、背中にあるという理由だけでなく、実際にどのような動きをしているか自覚できないので、いつもの位置からはずれても、いつの間にか動けなくなっていても、何か困った症状が出なければ気づくこともない点が厄介なところです。

目立たないけど大事なの…B関節

肩甲骨の関節には、腕の骨と連結する肩関節(A)と、筋肉にサンドされた肩甲胸郭関節(B)があると述べました。

B関節を構成する筋肉は厚く、大きなチカラを持っています。

逆に、A関節の中心となるインナーマッスルが構成する腱板は、数ミリの厚みしかなく、チカラ自体は小さな関節で傷つきやすく繊細な関節です。

チカラ関係=マッチョなB関節>かよわいA関節

B関節は、チカラのない肩関節を支える役割があり、繊細なA関節への衝撃の緩衝材となって支えているのです。

つまり、B関節の働きの低下は、腕を大きく使う二足歩行のヒトにとって様々な支障をきたすことになります。

肩甲胸郭関節が影の支配者

肩だけではありません。

下半身とも大きな筋肉でつなっがている肩甲骨は、大きく位置がずれると下半身と上半身の力の相互伝達がうまくできないばかりか、バランスを崩したままいると首や腰に負担をかけて関節痛を引き起こします。

肩甲骨はただの一組の骨なのですが、他の骨が持つ体を支えたり、内臓を守ったりという働き以上の役割があります。

肩甲骨を縛るもの

肩甲骨が動かなくなるのは、交感神経の異常興奮によるものが多く、その原因はストレスと姿勢の悪さです。

ストレスというと、仕事や人間関係を思い起こす人がおおいのですが、たとえ良いことであっても、感情が大きくぶれればすべてがストレスとなります。

つまり、ストレスのない状態というのは、ポジティブとネガティブの真ん中にいる状態です。

その状態を意識的に心がけることができると、肩甲骨の固さはかなり減ります。

また、背中が丸いと肩甲骨は外に飛び出すしかなくなりますので、背中の筋肉が過剰に引っ張られ続けることで固くなります。

驚異的な肩甲骨

この場合は姿勢習慣を変えるだけでかなり改善します。

ちなみに、ゴルフの飛距離を伸ばしたいなら、絶対に肩甲骨が柔らかくないとダメです。

ゴルフで腰がやられるのは、肩甲骨のパワー不足を腰で補うためです。

大人になってからプロ並みにすることはできませんが、どんなスポーツにせよ、肩甲骨が硬いと体幹がその補填をするので、体は疲れやすく成績はなかなか向上しません。

以上、肩甲骨のおはなしでした!